AIKY(AI利用における危険予知)

ノートPCの画面の確認リストを指差して確認する人物と、AIKY(AI利用における危険予知)の3原則「危険を予見する・任せる範囲を決める・安全を優先する」
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組織運用・Shadow AI

定義

AIを使う前と出力を使う前に危険を予見し、AIに任せる範囲と人が確認すべき事項を明確にする、安全を最優先する思考・行動習慣。現場の危険予知(KY)活動をAI利用に応用した、PAP Researchの提唱する考え方。

詳しい説明

AIKY(エーアイケーワイ、AI利用における危険予知)とは、AIを使う前と出力を使う前に危険を予見し、AIに任せる範囲と人が確認すべき事項を明確にする、安全を最優先する思考・行動習慣です。現場の危険予知(KY)活動をAI利用に応用した、PAP Researchの提唱する考え方です。意図しない誤り(エラー)や、必要な確認・手順の意図的な省略(違反)によるトラブルを未然に防ぐことを目的とします。

インフラや製造、建設などの多くの現場では、「安全はすべてに優先する」という考え方のもと、作業の前に「どんな危険がひそんでいるか」を考え、対策と行動目標を決める危険予知活動が行われています。AIKYは、この考え方を、AIに入力する情報、AIに任せる作業、AIの出力の使い方に当てはめます。

AIKYの3原則

  1. 危険を予見する:入力する情報や結果の使い方に、どのような危険があるかを考える。
  2. 任せる範囲を決める:AIに任せること・任せないことと、人が確認すべき事項を明確にする。
  3. 安全を優先する:「たぶん大丈夫」で必要な確認・手順を省かない。危険を解消できないときは立ち止まり、必要に応じて責任者や専門家に相談する。

具体例

顧客からの問い合わせに、AIで返信案を作る場合です(架空の例)。

原則この場面で考えること
危険を予見する顧客の氏名や契約内容を、このAIサービスに入力してよいか。返信案に、約束していない値引きや納期が入らないか
任せる範囲を決めるAIに任せるのは返信案の作成まで。送信と、料金・納期の確定は担当者が行う
安全を優先する入力してよいか分からない情報は入れない。根拠を確認できない記述が残るなら送らず、責任者に相談する

進め方の例(KYTの4ラウンド法との対応)

チームで行う場合は、危険予知訓練(KYT)の4ラウンド法の流れに沿って進めることができます。右の列は、PAP ResearchがAI利用に当てはめた例です。

ラウンドKYTでの問いAIKYで考えること
1Rどんな危険がひそんでいるか入力する情報、任せる作業、出力の使い方に、どんな危険があるか
2Rこれが危険のポイント起きたときの影響が大きく、元に戻しにくい危険はどれか
3Rあなたならどうする任せる範囲、入力しない情報、確認する人と項目の案
4R私達はこうするチームで守る手順として決め、共有する

チームで記入できるシート(PDF・Excel)は、AIを使う前の安全確認チェックリストからダウンロードできます。

似た用語との違い

  • 危険予知訓練(KYT):作業や職場にひそむ危険要因を発見し、解決する能力を高める手法です(厚生労働省「職場のあんぜんサイト」)。主に現場の作業を対象に、チームで危険を話し合います。AIKYは同じ考え方をAIの利用に当てはめたもので、一人の利用者が作業のたびに行う習慣も含みます。
  • Human-in-the-Loop(HITL):AIの処理の途中に人の判断を組み込み、人が確認・修正・承認・中止できるようにする設計です。HITLが「どこで人が確認するか」というシステムの仕組みであるのに対し、AIKYは「どこに確認が必要か」を使う人が前もって見極める習慣です。AIKYで見つけた確認事項を、HITLの承認点として組み込む関係になります。
  • リスクアセスメント:組織として危険を洗い出し、その大きさを見積もり、対策を決める体系的な手続きです。AIKYは、作業の直前に個人やチームで行う、より身近な点検です。用途ごとのリスク分類で決めた条件を、日々の作業で守るための習慣とも言えます。

実務での注意点

  • AIKYは確認の習慣で、それだけで安全を保証するものではありません。送信や更新などの重大な操作は、権限や承認の仕組みでも止められるようにします。
  • 「前回は大丈夫だった」は、前回の条件での結果です。入力する情報、使うサービス、出力の使い道が変わったら、改めて危険を予見します。
  • 確認が形だけにならないよう、確認する人と確認する項目を具体的に決めます。
  • 現場の指差し呼称にならい、送信先・数値・宛名など確認する箇所を画面上で指し示し、声に出して確かめる方法もあります。PAP Researchでは、確認を形だけにしないための一つの工夫として勧めています。

参考資料

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引用用テキスト

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この記事を書いた人

さかっぺのアバター さかっぺ PAP Research運営 / AIガバナンス・アーキテクト / プロンプトデザイナー

ITインフラの実務経験をもとに、AIの安全性と実用性を両立する仕組みを研究。PAP Researchでは、AIモデルの継続観測と、プロンプト・AI技術の実務解説を発信しています。

経歴や研究方法、発信方針は運営者プロフィールで紹介しています。

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