定義
モデルの内部知識が学習・更新等によりカバーしている時点の上限。最新情報の確認とは別に扱う必要がある。
詳しい説明
モデルが学習によって持っている知識が、どの時点までの情報をカバーしているかの上限です。その時点より後の出来事は、検索などで外から情報を渡さない限り、モデルは知りません。提供元は、この時点をモデルごとに公開しています。たとえばAnthropicは、モデルの一覧に「Reliable knowledge cutoff(信頼できる知識の期限)」を載せています。
具体例
知識の期限が2026年1月のモデルに、同じ年の6月に出た製品について尋ねると、知らないと答えるか、古い情報をもとに答える可能性があります。PAP Researchの定点観測でも、現在の日付や時刻、知っている最新のAIモデルを毎回尋ね、回答の変化を記録しています。
業務での判断例
架空の例として、社内のAI利用で、質問の種類ごとに扱いを決めます。
| 質問の種類 | 扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 法令・料金・役職など、変わり得る情報 | 検索を使うか、一次資料で確かめる | 回答に出典と確認日を付けさせる |
| 一般的な概念や、長く変わらない手順 | モデルの知識で答えてよい | 重要な判断に使う場合は、原典で確かめる |
| 今日の日付や「最新」の製品 | モデルの知識だけでは答えさせない | 日付はシステム側で渡す。「最新」は確認日とあわせて示す |
似た用語との違い
- ハルシネーション:根拠のない内容を、もっともらしく作ることです。知識の期限より後のことを尋ねると、知らないと言わずに古い情報や推測で答えることがあり、ハルシネーションの原因の一つになります。
- RAG(検索拡張生成):外部の資料を検索して渡し、回答に使わせる方法です。知識の期限より後の情報を補う手段の一つです。
実務での注意点
- モデル自身が答える知識の期限は、正確とは限りません。提供元の公開情報で確かめます。
- 検索を使えるAIでも、検索するかどうかは質問ごとに変わります。最新性が重要な質問では、回答に検索結果の出典が示されているかを確かめます。
- 知識の期限と、モデルが公開された日は別です。新しく公開されたモデルでも、知識は数か月前までのことがあります。
