推論パラメータ・Long Context・Memory

84語

モデルの生成を左右する推論パラメータと、長いコンテキストや記憶の扱いに関わる用語です。temperatureやtop_p、思考量の設定、コンテキスト長と注意の希釈、要約による圧縮、セッションの記憶、知識の締切日などを扱います。

この分野を読むポイント

コンテキストに情報を詰め込むほど良くなるとは限らず、重要な情報が埋もれることもあります。記憶や要約を使う場合は、古い情報や誤った情報が残り続けるリスクにも目を向けます。

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用語一覧

temperature
生成時のランダム性に影響する代表的なサンプリングパラメータ。低いほど常に正確になるとは限らない。
top_p
確率質量が上位pに収まる候補から生成するNucleus Samplingのパラメータ。
max_tokens
モデルが生成できる出力トークン数の上限設定。小さすぎると回答が途中で切れる。
stop sequence
指定した文字列・パターンが生成された時点で出力を停止させる設定。停止文字列が本来の出力に含まれると途中で切れるため、出力に現れない文字列を選ぶ。
Seed
乱数生成の初期値。対応モデルでは生成の再現性を高める目的で使われることがある。
Reasoning Effort
推論モデルが内部推論へ割り当てる計算量・深さを調整する設定・概念。高くすると精度が上がる場合がある一方、遅延とコストが増えるため、タスクの難易度に応じて設定する。
Thinking Budget
内部推論へ使用できる計算量・トークン量等の予算を制御する考え方・設定。
Over-specification
必要以上に細かな手順や制約を与え、モデル本来の推論能力や柔軟性を損なう過剰指示。
Overthinking
単純な問題でも必要以上に推論を反復し、時間・コスト増や誤りを招く状態。
Tool Planning
目的達成のため、どのツールをどの順序で利用するかを計画するAgent処理。
Context Length
モデルが一度に扱えるコンテキストの長さ・容量。一般にトークン数で表す。
Attention希釈
長大な入力やノイズ増加により、重要情報への注意が相対的に弱まり参照精度が落ちる現象。
Context Deduplication
コンテキスト内の重複情報を除去・統合し、トークン浪費や重複根拠を減らす処理。
Salience Scoring
情報の重要度・関連度を評価し、長文から残す情報や優先順位を決める手法。
Compaction
長い会話履歴や作業状態を要約・圧縮し、重要情報を残してコンテキスト量を減らす処理。
Summary Drift
要約を繰り返すうちに、元情報の意味・制約・決定事項が徐々に変質する現象。
Session Memory
特定セッションや会話の範囲で保持・参照する状態や記憶情報。セッション終了後に保持されるかどうかと保存先を、利用者に分かるようにする。
Organizational Knowledge
組織内の規程、手順、ナレッジベース、業務資料等として共有管理される知識。
Memory Poisoning
誤情報・悪意ある情報をAIの記憶へ混入させ、後続の回答や判断へ継続的に影響させること。
Knowledge Cutoff
モデルの内部知識が学習・更新等によりカバーしている時点の上限。最新情報の確認とは別に扱う必要がある。
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Extended Thinking / Thinking Tokens
複雑なタスクでモデルが内部推論へより多くの計算資源やトークンを割り当てる機能・概念。
KV Cache
自己回帰生成で過去トークンのKey・Value計算結果を保持し、後続トークン生成時の再計算を減らすキャッシュ。
Speculative Decoding
軽量なドラフトモデル等で複数の候補トークンを先に生成し、大型モデルがまとめて検証・採択して生成を高速化する方式。
Constrained Decoding / Grammar-Constrained Generation
生成可能なトークンや構文をスキーマ・文法・選択肢等で制約し、所定形式への適合性を高める生成方式。
frequency_penalty / presence_penalty
既出トークンの頻度や出現有無に応じて生成確率を調整し、同じ語句の反復や話題の偏りを抑えるための代表的な生成パラメータ。
スループット
単位時間あたりに処理できるリクエスト数・トークン数・タスク数など、システムの処理能力を表す指標。
TPM / RPM
Tokens Per MinuteとRequests Per Minuteの略。API等で単位時間あたりに許可・処理されるトークン数やリクエスト数を表す指標。
Test-time Compute / Inference-time Compute
モデル学習後の推論時に、追加の思考、複数サンプル、探索、検証等へより多くの計算資源を割り当てて性能向上を狙う考え方。
Best-of-N
同じ入力からN個の候補を生成し、報酬モデル、Verifier、ルール、評価器等で最も良い候補を選ぶ推論方式。
Prefill(推論フェーズ)
LLM推論で入力プロンプト全体を処理し、Attention計算とKV Cacheの初期状態を構築する生成前の計算フェーズ。
Decode
Prefill後に、KV Cache等を利用しながら次トークンを逐次生成していく自己回帰推論フェーズ。
Continuous Batching
生成中の複数リクエストを動的に組み替え、完了した処理の空きへ新しいリクエストを随時入れてGPU利用率とスループットを高める方式。
PagedAttention
KV Cacheを固定的な連続領域ではなくページ単位で管理し、メモリ断片化や無駄を減らしてLLM推論を効率化するAttention実装技術。
Tensor Parallelism
一つのモデル層や行列計算を複数GPU等へ分割し、同じ層の計算を並列実行するモデル並列方式。
Pipeline Parallelism
モデルの層を複数デバイスへ段階的に分割し、異なるマイクロバッチをパイプライン状に処理する並列方式。
Prefix Cache
複数リクエストで共通するプロンプト先頭部分の計算結果やKV Cacheを再利用し、Prefillの計算量を減らすキャッシュ方式。
Episodic Memory
Agentが過去の出来事、実行履歴、会話、経験等をエピソード単位で保持・検索する記憶の分類。
Semantic Memory
個別の出来事ではなく、一般化された事実、概念、知識、関係等を保持する記憶の分類。
Working Memory
現在のタスク遂行に必要な短期的な情報、途中結果、計画、状態等を保持する作業用の記憶領域・概念。
Chunked Prefill
長い入力のPrefill計算を複数チャンクへ分割し、Decode等と組み合わせてレイテンシやGPU利用効率を改善する方式。
AWQ
Activation-aware Weight Quantizationの略。活性値の影響を考慮して重要な重みを保護しながらモデル重みを量子化する手法。
GPTQ
学習済みモデルの重みを、精度低下を抑えながら低ビット化する代表的なPost-Training Quantization手法。
TPOT
Time Per Output Tokenの略。最初のトークン出力後、1トークンを生成するのに要する平均的な時間を表す推論性能指標。
top_k
次トークン候補を確率上位k個へ限定し、その中からサンプリングする生成パラメータ・方式。RAGで取得件数を指すTop-k(【R】)とは別。
min_p
最有力Tokenの確率に対する相対的なしきい値等を使って低確率候補を除外するサンプリング方式・パラメータ。
Greedy Decoding
各生成ステップで確率が最も高いTokenを常に選ぶ決定的なデコード方式。
Beam Search
複数の有望な部分系列を並行保持し、累積スコアの高い候補を探索するデコード手法。
logprobs
各Token候補や生成Tokenの対数確率。候補比較、確信度分析、評価、デバッグ等に利用される。
Data Parallelism
同じモデルの複製を複数GPU等へ置き、異なるData Batchを並列処理して勾配を同期する分散学習方式。
Expert Parallelism
MoEのExpertを複数GPU・ノードへ分散配置し、選択されたExpertへの計算を並列化する方式。

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