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カスタム指示が長くなり、回答が使いにくくなったら、文章を縮める前に「いつも好む答え方」「誤りや操作を避ける条件」「今回の用途」を分けます。「必ず短く」と「すべて詳しく」のような衝突は、どちらかを一律に消すより、適用する場面と優先する条件を書き直す方が意図を保てます。
見直しの目的は、設定欄を整えることだけではありません。同じ質問への回答を比べ、必要な情報が残り、不要な説明や質問が減るかを確かめます。修正した指示が読みやすくても、利用する場面で条件が抜けるなら調整が必要です。
繰り返す好みと、その場の事情を分ける
カスタム指示は、複数の会話で考慮してほしい希望や条件を伝えるための機能です。例えばChatGPTの公式説明でも、回答で考慮してほしいことを共有し、好みに合わせて応答を調整する機能として案内されています。具体的な設定項目や適用範囲はサービスにより異なるため、利用中の画面と公式説明を確認してください。ChatGPT Custom Instructions
繰り返し使う指示に向くのは、「日本語で結論から答える」「初めて出る専門用語は短く説明する」など、多くの用途で役立つ好みです。「来週の旅行は京都」「今回の提出先は営業部長」といった期限や案件に結び付く事情は、通常はその会話の依頼に置く方が更新箇所を見つけやすくなります。
また、カスタム指示だけが回答へ影響するとは限りません。ChatGPTのMemoryに関する説明では、設定に応じて過去の会話や保存された情報などが応答に使われます。新しい会話を開くだけで、必ず個人化の影響がなくなると仮定しないでください。同じ説明では、一時チャットを始める前に個人化を使わない設定を選べる場合があるとされていますが、使える設定はプランや地域で異なります。Memory in ChatGPT
ここでは製品固有の優先順位を作るのではなく、自分で書いた指示文の中にある意図を整理します。どの指示がシステム上で優先されるかと、利用者が文章でどの条件を優先してほしいと伝えるかは、分けて考えます。
衝突している文を一つずつ取り出す
架空の利用者が、日々の調べ物と文章作成のために、次のカスタム指示を保存しているとします。
「必ず短く答えてください。すべて詳しく説明し、理由と例を必ず付けてください。質問はせず、自分で判断してください。分からないことは必ず質問してください。簡潔に、余計な説明なしでお願いします。最新情報で答え、間違えないでください。メールは気を利かせて処理してください。」
このままでは、短さと詳しさ、質問しないことと質問することが衝突しています。「短く」「簡潔に」「余計な説明なし」は近い希望ですが、どの説明なら削れるかが不明です。さらに「最新情報」「間違えない」は望む結果だけで、情報を確認できないときの振る舞いがありません。
最後の「メールを処理」は、下書き、整理、送信のどれかを特定できません。文章の好みと外部操作の条件が一緒になっているため、言葉を短くするだけでは解決しません。まず文を次のように分けます。
- 好み:結論を先に知りたい、普段は簡潔でよい、必要なときは理由も知りたい
- 安全条件:不明な事実を作らない、意図が曖昧な外部操作は進めない
- 用途:日常の質問、詳しく学ぶ相談、メールの下書き
この分解は、利用者の本当の希望を勝手に決めるためではありません。自分の指示なら意図を確かめ、他の人の指示を編集するなら、どの用途で困っているかを本人に確認します。曖昧な「気を利かせる」から、送信の恒常的な許可を読み取らないようにします。
「いつ」「何を残すか」が分かる指示へ直す
先の架空例では、普段は短く、詳しい説明を頼んだときは展開してほしい、メールは下書きだけという意図が確認できたとします。その条件で、次のように書き換えられます。
「通常は日本語で、結論を先に簡潔に答えてください。ただし、判断に必要な条件、重要な例外、未確認事項は省かないでください。詳しい説明を求めたときは、理由と具体例を含めて説明してください。」
「情報が足りなくても、後から直せる軽い表現上の違いなら、仮定を明示して進めてください。答えや操作対象が大きく変わる不明点は、先に短く確認してください。確認できない事実は未確認と示し、日付や数値を補わないでください。」
「メールの依頼は、別途送信を明示しない限り下書きとして扱ってください。宛先、内容、外部操作の範囲が不明なときは確認してください。現在の情報が必要な質問では、利用できる一次資料で確認し、確認できない範囲を伝えてください。」
差し替えるのは、言語、普段の長さ、詳しくする条件、主な用途です。「短く」を「三行以内」のような硬い上限へ変えるなら、その制限で重要な条件が落ちないかを確かめます。長さの指定を守ることが、そのまま良い回答の条件ではありません。
この例は効果を実測した万能テンプレートではありません。安全条件を文章で伝えても、ツールの実行許可やデータの送信先を技術的に制限できるとは限りません。外部操作を使うサービスでは、その権限や承認設定も別に確認します。
同じ質問で、残すべき情報を照合する
変更前後を確かめる材料として、架空の打合せメモを使います。「説明会は十一月開催予定。会場と開始時刻は調整中。参加案内は担当者の確認後に送る」という三文から、案内メールの下書きを作る質問を用意します。
どちらの指示でも、質問とメモは同じにします。期待するのは、開催予定という状態を保ち、会場や時刻を作らず、下書きを返すことです。短くまとまっていても、「十一月一日、十時から本社会議室で開催します」と補っていれば不合格です。資料にない日時を加えたことが問題であり、文体が自然かどうかとは別に判定します。
修正後の仮定出力は、「説明会は十一月に開催予定です。会場と開始時刻は調整中のため、決まり次第ご案内します」といった形です。ただし、実際に後で案内する予定が確認されていなければ、「決まり次第ご案内します」という約束も加えません。その場合は「会場・開始時刻:確認待ち」と下書き内へ残し、担当者が補ってから送れる状態にします。
この違いは、もっともらしい補足にも確認が必要なことを示します。改善の判定は、単に回答が短くなったかではなく、予定、未確認、承認前という元資料の状態を保てたかで行います。実際の出力を保存し、どの表現が元資料と一致しないかを記録すれば、次の修正箇所を絞れます。
日常の別用途でも確かめる
案内文だけでうまくいっても、詳しく学びたい質問まで説明不足になるかもしれません。そこで「この用語を初めて学ぶので、理由と例を詳しく説明して」という依頼も試します。ここでは、通常の簡潔さより今回の詳しい説明という希望が反映されるかを見ます。
反対に、短い言い換えの依頼では、不要な例や長い前置きが付かないかを確かめます。会場が不明な送信依頼では、対象を推測して進めず、必要な質問へ切り替わるかを見ます。三つの用途は優劣を競うためではなく、同じ指示が異なる場面で意図どおり使い分けられるかを見る材料です。
実施時はモデル、検索の有無、会話履歴、個人化設定をできる範囲で揃えます。複数の条件を変えた場合は、改善の原因をカスタム指示だけに求めません。また、重要な操作が絡む確認は、実際の送信機能を切った環境や架空資料で行い、記事の例を本番の送信試験に使わないようにします。
失敗が出るたびに「必ず」を追加すると、再び重複と衝突が増えます。資料不足なら資料を補い、出力形式の問題ならその用途の依頼を直し、複数の用途で共通して起きる問題だけをカスタム指示へ戻します。修正日と変更理由を控え、以前の文へ戻せるようにしておくと、変更の影響を追いやすくなります。また、保存した指示がすべての回答で守られるとは限らず、設定欄に書いた内容が保護される保証にもなりません。カスタム指示には、パスワードや秘密の業務資料を書き込まないでください。
カスタム指示は、自分の希望をすべて詰める場所ではありません。繰り返し役立つ条件を残し、案件ごとの事情はその都度渡し、実際の回答で確かめながら更新します。その切り分けができると、短さと必要な説明を両立させるために、どの文を直すべきかが見えてきます。

