Agent・ツール・MCP
144語
AIエージェントが外部ツールやAPIを呼び出して作業を進める仕組みと、その安全な運用に関わる用語です。ReAct、Function Calling、MCP、マルチエージェントなどの構成要素から、停止条件や冪等性といった運用上の注意点までを扱います。
この分野を読むポイント
「何ができるか」を示すツール定義と、「実行してよいか」を決める権限は別物です。ツール説明文やエージェント間で受け渡す出力は判断材料として扱い、実行権限、停止条件、二重実行の防止は仕組みの側で決めておくことが要点です。
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用語一覧
- ReAct
- Reasoning and Actingの略。推論とツール利用・行動を交互に組み合わせてタスクを進めるAgent設計の考え方。
- A2A
- Agent-to-Agentの略。異なるAI Agent同士が情報・タスク・状態等をやり取りする連携方式・プロトコルを指す総称。
- Agent / AI Agent(AIエージェント)
- 目標に基づき、AIモデルを中心に推論・計画・ツール利用・複数ステップ実行を進めるシステム。
- マルチエージェント
- 複数のAIエージェントが役割分担・協調して処理する構成。エージェント数が増えるほどコスト・遅延・誤差伝播・責任の所在の不明確さが増すため、単一エージェントで足りるか先に検討する。
- オーケストレーション
- 複数モデル・エージェント・ツールの実行順や役割を統合管理すること。
- ツール呼び出し
- AIが検索・API・コード実行など外部機能を起動すること。引数の誤りや不要な呼び出しが起こり得るため、副作用のあるツールは実行前に検証・承認する。
- ツール連鎖
- あるツールの結果を次のツールへ渡し、複数ステップで処理すること。
- 外部ツール
- AI本体の外にある検索・メール・カレンダー・コード実行等の機能。
- 外部API
- 外部サービスの機能・データへプログラムからアクセスするAPI。
- API
- Application Programming Interfaceの略。ソフトウェア同士が機能やデータをやり取りする接点。
- Function Calling
- モデルが定義済み関数・ツールを構造化引数で呼び出す仕組み。モデルは呼び出し内容を出力するだけで関数を直接実行しないため、実行可否と権限の制御はアプリ側の責任となる。
- MCP(Model Context Protocol)
- AIと外部データ・ツールを接続するためのプロトコル。接続したサーバーはツール説明文や結果を通じてモデルの挙動に影響するため、信頼できる提供元のものに限定する。
- MCPサーバー
- MCP経由でAIへツールやデータを提供するサーバー。第三者製のサーバーは導入前に提供元・権限・通信先を確認し、更新時の内容変化にも注意する(MCP Rug Pull)。
- プラグイン
- AIへ外部サービスや専門機能を追加する拡張機能。
- コネクタ
- AIと外部サービス・データソースを接続する連携機能。接続先のデータがAIの参照範囲に入るため、付与する権限と対象範囲を最小限にする。
- 外部ツール定義
- ツール名・説明・引数・スキーマなど、AIがツールを利用するための定義。
- ツール説明文
- AIへツールの用途・使い方を知らせる説明。誤記や悪意ある文が挙動に影響しうる。
- Computer Use
- AIが画面を見てクリック・入力などGUI操作を行う機能・方式。画面上の文字や画像に埋め込まれた指示に従ってしまうリスクがあるため、Sandbox環境や承認ゲートと組み合わせる。
- GUIエージェント
- 画面上のUIを認識してクリック・入力などを実行するAIエージェント。
- GUI操作
- 画面上のボタン・フォーム・メニュー等を人間のように操作すること。
- Excessive Agency
- AIが必要以上の権限・自律性を持ち、依頼範囲を越えて行動するリスク。対策の基本は、付与する機能・権限・自律性をそれぞれ必要最小限に絞ること。
- 権限委譲
- 人間やシステムが持つ権限の一部をAIや別エージェントへ渡すこと。委譲する権限は期限・範囲・取消方法を定め、委譲先の操作を記録する。
- 委任
- 特定の作業や判断を、範囲を定めて他者・AIへ任せること。
- 停止条件
- Agentの反復処理や実行を終了するための条件。停止条件がないと無限ループや費用の暴走が起きるため、最大ステップ数・時間・費用の上限を設ける。
- チェックポイント
- 長時間処理の途中状態を保存し、確認・再開できる区切り。
- 途中再開
- 中断した長時間タスクを保存済み状態から続行すること。
- 長時間タスク
- 複数ステップ・長い処理時間を伴うAgentやAIの作業。
- 冪等性
- 同じ操作を複数回実行しても結果が重複・悪化しない性質。送金・発注・メール送信等では冪等キー等を用い、再試行しても二重実行にならないようにする。
- 二重実行
- 送信・購入・更新など同じ副作用操作が意図せず複数回行われること。タイムアウト後の再試行で起きやすいため、再実行前に処理済みかどうかを確認する。
- タイムアウト
- 処理が一定時間内に完了しない場合に打ち切る仕組み。タイムアウトは処理の失敗を意味しないため、副作用操作では実際に完了したかを確認してから再実行する。
- レート制限
- API等の呼び出し回数・速度を一定範囲に制限する仕組み。上限に達するとエラーになるため、Exponential Backoffによる再試行と流量の制御を組み込む。
- サプライチェーンリスク
- 外部ツール・ライブラリ・MCP等の依存先を経由して生じる安全・供給リスク。
- 間接プロンプトインジェクション
- Webページや外部文書など、ユーザー以外のデータに埋め込まれた命令による攻撃。
- 権限スコープ
- APIやツールへ許可する操作・データ範囲。読み取りと書き込みを分け、必要なスコープだけを付与する。
- エスカレーション
- AIで処理を続けず、人間や上位担当へ判断・対応を引き上げること。金額・リスク・不確実性・苦情等、エスカレーションする条件を事前に定義する。
- Sandbox
- AIやコードを本番環境から隔離し、ファイル・ネットワーク・プロセス・権限などを制限して実行する環境。
- Egress Control
- AI・Agent・実行環境から外部ネットワークへ出ていく通信先・通信方式・送信データを制御すること。
- Trajectory
- Agentがタスク完了までにたどった計画、判断、ツール利用、状態遷移、再試行などの実行経路。
- Simulator
- 実サービスや現実の副作用を発生させず、外部システムや環境の挙動を模擬してAgentを試験する環境・仕組み。
- Agent Skills
- Agentが繰り返し利用できるよう、手順・指示・ツール利用方法・参照情報などを再利用可能な単位にまとめたもの。
- Workflow
- あらかじめ定義した手順・分岐・処理順に従ってタスクを進める実行フロー。自律的に次の行動を選ぶAgentと対比されることがある。
- Subagent
- 大きなタスクの一部を担当するため、親Agentやオーケストレータから限定された役割・文脈・権限を与えられるAgent。
- Handoff
- 処理中のタスク・状態・文脈を別のAgentや人間担当へ引き継ぐこと。要点・確定事項・未解決事項を引き継がないと、利用者に同じ説明を繰り返させることになる。
- Hooks
- Agentやツール実行の開始前・完了後など所定のタイミングで追加処理を挿入する仕組み。
- Retry
- 一時的な失敗に対して同じ処理を再試行する仕組み。副作用操作では二重実行への配慮が必要。
- Exponential Backoff
- 再試行の待機時間を段階的に長くし、障害時の連続アクセスや負荷集中を抑える方式。
- OAuth
- 外部サービスのパスワード自体を渡さず、認可された範囲のアクセストークン等を使って第三者アプリへ権限を委任する仕組み。
- Deep Research
- 複数の検索・資料読解・比較・統合を複数ステップで行い、根拠付きの調査結果を作るAIワークフローの総称。
- Agent Loop
- 観測、推論・計画、行動、結果確認を反復しながら目標達成を目指すAgentの基本実行ループ。
- Plan-and-Execute
- 先に全体計画を作成し、その後に各ステップを順次実行・必要に応じて再計画するAgent設計パターン。
