データ・プライバシー・情報管理
59語
AIに渡す情報の分類と、個人情報・機密情報の管理に関わる用語です。情報の機密区分、個人情報と要配慮個人情報、匿名化と仮名化、データの保持と学習への利用、保存場所や越境移転、委託先の管理などを扱います。
この分野を読むポイント
AIに入力してよい情報かどうかは、ツールの便利さではなく、情報の区分と、契約や設定(学習への利用、保存期間、保存場所)で判断します。迷う情報は、入力する前に区分を確かめる手順を決めておきます。
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用語一覧
- Public
- 公開可能な情報区分。公開情報でも、大量に集約・分析すると機密性の高い推測につながる場合がある。
- Internal
- 組織内部での利用を想定し、外部公開を前提としない情報区分。外部AIサービスへの入力は、学習利用の有無やデータ保持の条件を確認した承認済みサービスに限る運用が一般的。
- Confidential
- 限られた関係者だけが扱うべき機密情報区分。外部AIサービスへの入力は原則として制限し、許可する場合も契約条件・保持設定・利用者を限定する。
- Sensitive
- 漏えい・誤用時の影響が大きく、慎重な取扱いを要する情報区分。
- Regulated
- 法令・規制等で取扱い条件が定められた情報区分。個人情報・医療・金融等の規制に応じ、AI利用の前に保存場所・委託先・ログの扱いを確認する。
- 個人情報
- 特定の個人を識別できる情報、または法令上個人情報として扱われる情報。外部AIサービスへ入力する場合は、利用目的の範囲内か、委託・第三者提供等のどれに当たるかを整理してから行う。
- 要配慮個人情報
- 差別・不利益につながりうるため、特に慎重な取扱いが求められる個人情報。
- 機密情報
- アクセス範囲を限定し、外部漏えいを防ぐべき情報。
- 営業秘密
- 秘密管理・有用性・非公知性など一定条件を満たす事業上の秘密情報。秘密管理が不十分だと法的保護を受けられなくなるおそれがあるため、AIへの入力ルールを含めて管理する。
- 認証情報
- ID・パスワード・トークン・鍵など、アクセス権確認に使う情報。プロンプト・会話履歴・スクリーンショットにも含めない。
- 匿名化
- 個人を特定できないよう識別情報を除去・加工すること。他の情報との照合で再識別できる場合があり、氏名を消しただけでは十分とは限らない。
- k-匿名化
- 年齢・住所・性別等の組み合わせで個人を特定できる属性(準識別子)について、同じ値を持つレコードが少なくともk件存在するよう一般化・削除する手法。全員が同じ機微情報を持つ場合や背景知識がある場合には再識別を防げないため、l-多様性等で補う。
- 仮名化
- 追加情報と分離することで、単独では個人を特定しにくくする加工。日本の個人情報保護法上の仮名加工情報と、GDPR上の仮名化は定義と扱いが異なる点に注意する。
- データ保持
- サービスが入力・出力・ログ等のデータを保存すること。学習に利用しない設定でも、不正利用の監視等のため一定期間保存される場合があるため、保持期間と目的を確認する。
- Zero Data Retention(ZDR)
- 利用データを保持しない、または極力保持しないデータ取扱い方式・契約設定。
- Data Residency(データレジデンシー)
- データを特定の国・地域内で保存・処理する要件・考え方。保存場所が国内でも、処理や保守のためのアクセスが国外から行われる場合があるため、処理の所在まで確認する。
- データ主権
- データが所在する国・地域の法制度や統制の影響を受けるという考え方。
- 学習利用オプトアウト
- 入力・出力データをモデル学習等へ利用しないよう選択・設定すること。オプトアウトしてもデータの保持や確認目的の閲覧が行われる場合があるため、保持条件も確認する。
- NDA
- Non-Disclosure Agreementの略。秘密情報の取扱いを定める秘密保持契約。
- SLA
- Service Level Agreementの略。可用性・応答時間などサービス水準を定める合意。
- BCP
- Business Continuity Planの略。障害・災害時にも業務を継続・復旧する計画。
- ベンダーロックイン
- 特定ベンダーの仕様・データ形式へ依存し、他サービスへ移行しにくくなる状態。
- オンプレミス
- 自社管理の設備・環境でシステムを運用する方式。
- 閉域網
- インターネット等の外部ネットワークから分離・制限されたネットワーク。
- プライベートクラウド
- 特定組織向けに専用・限定的に提供されるクラウド環境。
- 国内リージョン
- データや処理基盤を国内の特定クラウド地域へ配置する構成。国内リージョンを選んでも、モデルや機能によっては処理が国外で行われる設定があるため、提供条件を確認する。
- IR
- Investor Relationsの略。投資家向け企業情報・開示活動。
- データフロー
- データがどこから入り、どこで処理され、どこへ送られるかという流れ。データフローを図示しておくと、DPIA・委託先管理・インシデント時の影響範囲の特定が容易になる。
- サブプロセッサ
- サービス提供者から再委託を受け、データ処理を行う第三者。提供者が公開するサブプロセッサ一覧と、その変更通知の仕組みを確認する。
- 越境移転
- 個人データ等を国・地域をまたいで保存・処理・提供すること。適用法令や契約、移転先、保護措置の確認が必要になる。
- 十分性認定
- ある国・地域の個人データ保護水準が十分であると認め、追加措置なしに個人データを移転できるようにする制度。GDPRに基づく欧州委員会の認定があり、日本とEUは相互に認定している。〔時点依存〕
- SCC(Standard Contractual Clauses)
- 十分性認定のない国へ個人データを移転する際に用いる、欧州委員会が定めた標準契約条項。海外のAIサービス利用やデータ処理の委託で、移転の根拠として用いられる。
SCC(Standard Contractual Clauses)の定義を見る · データ・プライバシー・情報管理の全体像
- DPA(Data Processing Agreement)
- 個人データの処理を委託する際に、処理の目的・範囲・安全管理・再委託・削除等を定める契約。AIサービスの法人契約では付属文書として提供されることが多い。データ保護機関(Data Protection Authority)も同じ略称のため、文脈で区別する。
- データローカライゼーション
- 特定の種類のデータを国内で保存・処理するよう法令で義務付けること。利用者側の要件・方針であるData Residencyと異なり法的義務であるため、対象国の規制を確認したうえでAIサービスの利用可否を判断する。〔時点依存〕
- 二次利用
- 当初の収集・利用目的とは異なる別目的で、データ・ログ・AI出力などを利用すること。
- Data Minimization(データ最小化)
- 目的達成に必要な範囲へ収集・利用・保持するデータを限定し、不要な個人情報・機密情報の処理を減らす原則。
- Purpose Limitation(目的制限)
- データを明確な利用目的の範囲で扱い、当初目的と無関係な利用へ無制限に転用しない原則。
- Lawful Basis(適法根拠)
- 個人データ等を処理する際に、同意、契約、法的義務等の法令上認められた根拠を特定する考え方。
- Consent(同意)
- 個人がデータ処理等について必要な情報を得たうえで意思表示すること。法域により有効な同意の要件が異なる。
- DSAR / Data Subject Rights
- 本人が自己の個人データについてアクセス、訂正、削除等を請求する権利と、その請求対応の実務。法域により範囲が異なる。
- Retention Policy(保持方針)
- データ・ログ等を何の目的で、どの期間保存し、いつ削除・匿名化するかを定める方針。
- Deletion Policy(削除方針)
- 保存データ、バックアップ、派生データ等をどの条件・手順で削除するかを定める方針。
- Masking / Redaction
- 個人情報・秘密情報等の一部を伏せ字、置換、削除等によって見えない状態にし、不要な露出を減らす処理。
- KMS(Key Management Service)
- 暗号鍵の生成、保管、ローテーション、アクセス制御、監査等を集中管理するサービス・仕組み。
- BYOK(Bring Your Own Key)
- 利用者・組織が管理する暗号鍵をクラウドやSaaSへ持ち込み、データ暗号化等に利用する方式。
- CMEK(Customer-Managed Encryption Keys)
- クラウドサービス等で、顧客側が作成・管理する暗号鍵をデータ暗号化へ利用する方式。
CMEK(Customer-Managed Encryption Keys)の定義を見る · データ・プライバシー・情報管理の全体像
- Machine Unlearning
- 学習済みモデルから、特定データの影響を完全再学習なしに削除・低減することを目指す技術・研究領域。
- 漏えい等報告 / Breach Notification
- 個人データや機密情報の漏えい等が発生した際、法令・契約・社内規程に従って当局・本人・関係者等へ報告・通知する手続。
- Differential Privacy
- 個々のデータ有無が統計結果へ与える影響を数学的に制限し、集計・学習時のプライバシー漏えいを抑える技術。
- Federated Learning(連合学習)
- データを1か所へ集めず、各端末・各組織で学習した更新情報だけを集約してモデルを学習する方式。生データを共有せずに済むが、更新情報から元データが推測される可能性があるため、Differential Privacyや安全な集約と組み合わせる。
