Evals・テスト・LLMOps

101語

LLMを使ったシステムの品質を測り、変更を安全に運用するための評価・テスト・LLMOpsの用語です。評価データセットやルーブリック、回帰テスト、CI/CDでの評価ゲート、ドリフトの検知、本番環境での評価などを扱います。

この分野を読むポイント

プロンプトやモデルを変えるたびに、同じ条件で比べられる評価の仕組みがあるかが鍵です。評価で分かるのは試した条件での結果であり、あらゆる入力での正しさを保証するものではない点も押さえておきます。

この分野に関連する記事

用語一覧

Eval / Evals / LLM Evals
AI・Prompt・LLMの正確性、Faithfulness、形式遵守、安全性等を一定基準で測る評価テストと、その複数テスト・評価体系の総称。
Golden Dataset
評価時の基準として使う、模範入力・期待出力・正解データの集合。実運用の典型例に加え、難しい例・境界例を含め、仕様変更に合わせて更新する。
評価ルーブリック
評価観点と採点基準を段階的に定義した表・規則。基準が曖昧だと評価者間やLLM評価者間で採点がぶれるため、段階ごとに具体例を添える。
Faithfulness
回答が与えられた資料・根拠から逸脱せず忠実である度合い。資料に忠実でも資料自体が誤っていれば回答も誤るため、正確性とは別に評価する。
Regression Test
変更によって以前できていたことが壊れていないか確認するテスト。プロンプト・モデル・RAGデータ等の変更時に自動で実行する。
関連する記事を読む(1件)
Unit Test
小さな単位の機能・条件を個別に確認するテスト。
CI/CD
変更を継続的にテスト・統合・配布する開発運用手法。
GitHub Actions
GitHub上でテストやCI/CDを自動実行できる仕組み。Workflow定義やSecretsの権限設定が不適切だと、サプライチェーン攻撃や秘密情報漏えいの経路になる。
Evalゲート
評価基準を満たさないプロンプトやモデルを本番投入しないための関門。
レッドチーミング
意図的に弱点・失敗・悪用パターンを探して安全性を検証する手法。公開前だけでなく、モデル・機能・連携ツールの変更時にも実施する。
LLMOps
LLMを本番で評価・監視・更新・運用するための実務体系。
カナリアリリース
変更を一部ユーザーや一部トラフィックへ先行適用し、影響を確認する方法。
ロールバック
問題が起きた変更を以前の安全な版へ戻すこと。プロンプト・モデル・設定を版管理していないと迅速に戻せない。
トレース
入力・検索・ツール呼び出し・出力など実行経路を記録・追跡すること。プロンプトや出力に個人情報・機密情報が含まれ得るため、保存範囲・保持期間・閲覧権限を定める。
実行ID
1回の処理を一意に識別し、関連ログを紐付ける識別子。
ドリフト検知
時間や環境変化による性能・挙動のずれを検出すること。
モデルドリフト
モデル更新や利用条件の変化で出力特性が変わること。提供者側のモデル更新により、プロンプトを変えていなくても出力が変わることがある。
関連する記事を読む(72件)
品質ドリフト
データ・モデル・ツール等の変化により、出力品質が徐々に変化すること。
検証ログ
テスト条件・入力・モデル・出力・結果を再現できるよう記録したログ。
再現性
同じ条件で同様の結果を得られる度合い。LLMはtemperature・モデル更新・提供側の処理差で同じ入力でも出力が揺らぐため、モデル版・パラメータ・入力を記録しておく。
関連する記事を読む(72件)
変更管理
プロンプト・モデル・設定・ツールの変更を記録・レビュー・承認する運用。
バージョン管理
変更履歴を版として保存し、差分・復元を可能にする管理。コードだけでなく、プロンプト・評価データ・設定も対象にする。
開発環境
開発・試験のための環境。本番データや権限とは分離するのが基本。
ステージング
本番に近い条件で最終確認する検証環境。本番データを使う場合は、マスキング等で保護する。
本番環境
実際のユーザーや業務処理が行われる運用環境。AI Agentへ本番環境の書き込み権限を与える場合は、承認ゲートと監査ログを必須にする。
Offline Eval
固定された評価データやテスト環境を使い、本番ユーザーや本番ツールへ影響を与えずに行う評価。
Production Evaluation
本番環境の実行ログ・ユーザー反応・タスク結果などを用いて、実運用での品質を評価すること。
Trajectory Evaluation
Agentの最終結果だけでなく、計画・検索・ツール呼び出し・再試行など実行経路全体を評価すること。
Task Success Rate
定義した成功条件を満たしてタスクを完了できた割合。Agent評価では最終文面の品質とは別に測る。
Tool Call Accuracy
選択したツール、引数、対象、実行タイミングなどが期待どおりであった度合い。
Rater Drift
人間評価者の判断基準が時間・経験・運用変更などによって徐々に変化し、評価結果の一貫性が崩れる現象。
Sampling Audit
全件確認が難しい大量のAI出力から一定の方法で標本を抽出し、品質・安全性・遵守状況を監査する方法。
Precision
陽性と判定した対象のうち、実際に正しかった割合。検索・分類・検出等の評価に使う。
Recall
実際に該当する対象のうち、正しく検出できた割合。検索漏れや見逃しの評価に使う。
F1 Score
PrecisionとRecallの調和平均で、両者のバランスを1つの値で評価する指標。
pass@k
生成したk個の候補のうち少なくとも1つが正解・成功条件を満たす確率または割合として使われる評価指標。
A/Bテスト
2つ以上のモデル・プロンプト・UI等を異なる利用者やトラフィックへ割り当て、実績指標を比較する実験。
Pairwise Comparison
2つの回答や候補を一対一で比較し、どちらが基準に適合するかを評価する方法。
Position Bias
評価対象の提示順や位置によって、人間やLLM評価者の判断が偏る現象。Pairwise評価では提示順を入れ替えて2回評価し、結果の一致を確認する。
Groundedness
回答の内容が与えられた根拠・資料に実際に支えられている度合い。
Eval Engineering
評価データ、成功条件、採点方法、評価者、回帰テスト、実行基盤などを設計・運用し、AI品質を継続的に測定する実務。
ベンチマーク
モデルやシステムの能力を共通条件で比較するための評価用タスク・データセット・指標の組み合わせ。
MMLU
幅広い学術・専門分野の多肢選択問題を用いて、言語モデルの知識・問題解決能力を評価するベンチマーク。
SWE-bench
実在するソフトウェアリポジトリの課題を基に、コード修正によって問題を解決できるかを評価するベンチマーク。
HumanEval
プログラミング課題に対してコードを生成し、主にテスト通過で機能的正しさを評価するコード生成ベンチマーク。
GSM8K
小学校レベルの算数文章題約8,500問からなる数学的推論Benchmark。上位モデルでは正答率が飽和気味で、差が付きにくい。
IFEval
「〇語以上で書く」「特定の語を含めない」等、機械的に検証できる指示への追従度を測るBenchmark。
SimpleQA
短い事実質問への回答精度と、分からない場合に回答を控えられるかを測る事実性Benchmark。
FACTScore
長文の生成結果を個々の事実(原子的事実)に分解し、知識源で裏付けられる割合を測る事実性の評価指標。短答式のBenchmarkでは測りにくい長文の事実性を評価できる。

辞典トップへ戻る · 関連記事を見る