Professional LexiconAI・LLM実務辞典

AI・LLMの実務で参照する用語を、分野別に整理して掲載します。

S の用語

SCC(Standard Contractual Clauses)
十分性認定のない国へ個人データを移転する際に用いる、欧州委員会が定めた標準契約条項。海外のAIサービス利用やデータ処理の委託で、移転の根拠として用いられる。
Systemic Risk
高度なGPAIモデル等について、広範囲または重大な社会的・安全上の影響を生じさせ得るリスクを表す概念。
SOC 2
サービス組織のセキュリティ、可用性、機密性等に関する統制をTrust Services Criteriaに基づいて評価する保証報告の枠組み。
Safety Case
システムが特定の利用条件で十分に安全であることを、主張・根拠・証拠を体系化して示す安全性の論証。
Serious Incident Reporting
AIシステムによる死亡、重大な健康被害、重大な基本権侵害等の重大インシデントを所定の当局へ報告する規制上の手続。
SI(Super Intelligence/米国連邦政府用語)
2026年9月29日付の米大統領令「Inaugurating the Era of Super Intelligence」で、米連邦行政機関が公式文書・広報等で「AI」の代わりに用いるよう定められた呼称。指す範囲は15 U.S.C. §9401(3)の「人工知能」の定義と同一で、技術的な能力水準を示す語ではない。法令上の定義は当面変わらず、既存の規則・契約・文書の改訂も求められていない。研究上のASI(人間を大きく超える知能)とは別概念であり、日本の「SI(システムインテグレーション)」とも混同しないよう注意する。〔時点依存・確認日:2026-10-01〕
SaMD(Software as a Medical Device)
医療目的を持ち、医療機器として規制対象となるソフトウェア。AIを用いる場合も性能変更、品質管理、承認等の規制確認が必要。
Shadow AI(シャドーAI)
組織の承認・管理を経ずに従業員等が利用するAIサービスや利用行為。禁止だけでは減りにくく、承認済みの代替手段(公式利用導線)を用意することが有効。
Synthetic Data
実世界から直接取得するのではなく、ルール・シミュレーション・AI等によって人工的に生成したデータ。
SFT(Supervised Fine-Tuning)
事前学習済みモデルを、入力と望ましい出力の組など教師付きデータで追加学習し、特定タスクや指示追従へ適応させる手法。
SimPO(Simple Preference Optimization)
Reference Modelを使わず、Length-normalizedな平均Log ProbabilityとMarginを用いてPreferenceを直接最適化する手法。
Self-Play Reinforcement Learning
ModelやAgentが自ら相手・問題・解答候補等を生成し、自己対戦・自己評価を繰り返して能力を高める強化学習の考え方。
STaR(Self-Taught Reasoner)
ModelがReasoning付きの解答を生成し、正解した推論例を学習Dataへ取り込みながら反復的にReasoning能力を高めるSelf-improvement手法。
SEO
Search Engine Optimizationの略。検索エンジンで見つけられやすくする最適化。
SNS
Social Networking Serviceの略。ソーシャルメディア上の情報源や発信チャネル。
Self-RAG
生成中に検索の必要性や取得情報の有用性を自己評価しながら、検索と生成を調整するRAG手法。
Semantic Chunking
固定文字数ではなく、文や段落の意味的まとまり・話題の変化等を基準に文書をチャンクへ分割する方法。
SPLADE
ニューラルネットワークで語彙の重み付け・拡張を行い、意味情報を取り込んだ疎ベクトルとして検索する手法。
Service Account
人間ではなくアプリケーションや自動処理が利用する機械用アカウント。過剰権限や共有利用に注意が必要。
SSO
Single Sign-Onの略。一度の認証で複数の関連サービスへアクセスできるようにする認証連携の仕組み。
SAML
Security Assertion Markup Languageの略。認証・属性情報を組織やサービス間で交換し、主に企業向けSSOで利用される標準。
SCIM
System for Cross-domain Identity Managementの略。ユーザーやグループの作成・更新・削除等をサービス間で自動連携する標準。
System Prompt Leakage
System Promptの内容がユーザーや外部へ意図せず露出・推測されること。秘密保持や認可をSystem Promptだけに依存しない設計が必要。
Sanitization
危険な文字列・構造・コード等を除去または無害化して、安全に扱える状態へ変換する処理。
SSRF
Server-Side Request Forgeryの略。サーバーに意図しないURLや内部ネットワークへアクセスさせる攻撃。
SBOM
Software Bill of Materialsの略。ソフトウェアを構成するライブラリ・部品・依存関係を一覧化した台帳。
Sleeper Agent
通常時は問題なく振る舞う一方、特定条件やトリガーで別の目標・有害な挙動を示すよう設計・学習されたモデル挙動の概念。
Spotlighting
外部資料等の未信頼テキストを明確にマーキング・分離し、モデルが命令ではなくデータとして扱いやすくするPrompt Injection対策の考え方。
Sensitive Information Disclosure
モデルやAIアプリが個人情報、秘密、認証情報等を不適切に生成・表示・送信する情報漏えいリスク分類。
SLSA(Supply-chain Levels for Software Artifacts)
Software Supply ChainのIntegrityを高めるため、Build、Provenance、Source、Artifact等のSecurity保証を段階的に整理するFramework。
Sigstore / Model Signing
Artifact、Container、Model File等へDigital SignatureとTransparency Logを利用し、配布物の出所・改竄有無を検証する仕組み。Model Weightの署名・検証にも応用できる。
Skeleton Key
安全制約を直接破壊するのではなく、特定のRoleや安全分析文脈を受け入れさせることで、本来制限されるContent生成へ誘導するJailbreak手法として知られる攻撃Pattern。
SLI
Service Level Indicatorの略。可用性、成功率、レイテンシ等、サービス品質を測る実測指標。
SLO
Service Level Objectiveの略。SLIに対して目標とするサービス品質水準。
Severity Level
インシデントの影響度・緊急度を段階分類したレベル。対応優先順位や報告経路に使う。
Span
分散トレース内の一つの処理区間を表す単位。開始・終了時刻、属性、親子関係等を持ち、ModelやTool Callの追跡に使われる。
stop sequence
指定した文字列・パターンが生成された時点で出力を停止させる設定。停止文字列が本来の出力に含まれると途中で切れるため、出力に現れない文字列を選ぶ。
Seed
乱数生成の初期値。対応モデルでは生成の再現性を高める目的で使われることがある。
Salience Scoring
情報の重要度・関連度を評価し、長文から残す情報や優先順位を決める手法。
Summary Drift
要約を繰り返すうちに、元情報の意味・制約・決定事項が徐々に変質する現象。
Session Memory
特定セッションや会話の範囲で保持・参照する状態や記憶情報。セッション終了後に保持されるかどうかと保存先を、利用者に分かるようにする。
Speculative Decoding
軽量なドラフトモデル等で複数の候補トークンを先に生成し、大型モデルがまとめて検証・採択して生成を高速化する方式。
Semantic Memory
個別の出来事ではなく、一般化された事実、概念、知識、関係等を保持する記憶の分類。
Sequence / Context Parallelism
長い系列のTokenやAttention計算を複数デバイスへ分割し、長文処理時のメモリ・計算負荷を分散する並列方式。
SGLang
LLMやVLMの高速ServingとAgentic workload向けRuntimeを提供するオープンソースの推論基盤。
StreamingLLM / Attention Sink
Sequence先頭付近のAttention Sink Tokenと直近Window等を保持することで、全KV Cacheを維持せず長時間Streaming生成を継続しやすくする手法。
Sliding Window Attention(SWA)
各Tokenが直近の一定Window内だけへAttentionする方式。Attention計算量やKV Cache量を抑えながらLong Contextを扱うために使われる。
Slopsquatting
LLMが提案した実在しない・誤ったパッケージ名を攻撃者が取得し、利用者を悪意ある依存先へ誘導する攻撃。
Schema Migration
データベースや構造化データのスキーマを新しい形式へ移行する変更。本番データへの影響が大きいため、バックアップとロールバック手順を用意してから適用する。
SCA(Software Composition Analysis)
利用しているOSS・依存パッケージを特定し、既知の脆弱性やライセンス条件を検出する分析。AIが提案した依存追加の確認にも用いる。